福祉のチカラ・となりの社長日記

2021/3/20

今の事業を始めたきっかけは何ですか。

GHや病院などの精神保健分野で培った経験を活かして、
住み慣れた“地域”で暮らすという当たり前の環境を実現したく起業しました。

病院でのご経験もおありだったのですね。

はい。もともとは医薬品の総合商社にて勤務していましたが、
作業療法士の資格取得をきっかけに総合病院にて
精神科作業療法士として勤務するようになりました。

２００３年から精神障害者退院促進支援事業の一環として
退院促進に関わるプロジェクトにも参加しました。

２５年近く前から、精神保健福祉に携わっていたとお伺いしました。

そうですね。さかのぼってみると学生時代から携わっていて、
“地域”で暮らすという当たり前のことが、当たり前に
実現できるようにと考えてきました。

総合病院にいた時代も、地域の精神保健福祉の活動団体を
有志にてNPO法人化し、副理事長として障がい者のGHを設立して、
現場管理にもあたっていました。

その頃から、だれしもが“地域”で安心して暮らせる環境を
意識して活動しています。

会社・事業の運営理念を教えてください。

これまでの経験を活かし、
入居者の方、ご家族、また私たち運営サイドも
それぞれが地域の一員として、ともに社会構築していく
環境づくりを掲げています。

ともに社会構築していくにあたっては、何が必要とお考えですか。

やはり、小さなステップを積み重ねることだと思っています。
入居者の方々も十人十色です。

全員が同じように地域参画や地元に根差した活動というのは現実的でないですし、
大きな段差ではなく、それぞれが小さな段差を少しずつ歩んでいくこと
そこを意識しています。

事業所を最小単位の地域社会だと捉えれば、
まずはそこで安心できる、
また選択肢をもって活動できる環境を整えることが
第一歩だと考えています。

GHだと、そこで共同生活を送るわけですから、居心地といいますか、雰囲気のよい空間というのも大切ですよね。

そうですね、まずは安心できる生活拠点があってこその
就労であったり、地域活動といった先のステップだと思っています。

入居当初に関しても、住まいを変えることは
誰にだって不安はあると思いますし、
入居の際のそういったストレスをどれだけ緩和できるかというのは、
その後の生活にも大きく影響すると考えています。

居心地のよい雰囲気というのは、職員の間でも同じくで、
働きやすい職場づくりは意識しています。

事業の特徴や運営する上でどんなことを心掛けていますか。

利用者の方だけではなく、ご家族やその周りの方々にも
心に“ゆとり”ある暮らし、という視点を心掛けています。

先ほどと重なりますが、入居者さまにとって安心できる暮らしはもちろん、
ご家族のこと、また職員がのびのびと働ける環境など、
トータルでのGH生活を考えています。

ご家族への支援やピアサポート活動についても近年は拡がっていますね。

そうですね。入居者さまだけではなく、ご家族や専門家、
また地域住民の方々が安心してともに地域で暮らせる環境が
大切だと考えています。
事業所も人で成っていますし、「人は宝」との考えのもと、
人と人とのつながりを大事にしています。

「人は宝」素敵な考え方ですね。

ありがとうございます。
もちろん日々の活動の中では色々なことがありますが、
小さな事業所であるが故の、小回りの利くサービスを
展開していきたいと思っています。
普段身近で大切なところを見逃さないように、気を付けていますね。

「身近で大切なところ」といいますと。

GHの場合、そこが生活の拠点となるわけですから、
ささいな居心地の悪さが大きな不安に繋がることもあるわけです。
そういったところは、管理者を中心に
利用者さま、職員含め「人は宝」という考えを意識して取り組んでいます。

これからの目標や展望などを教えてください。

重ねてになりますが、GH事業を成功させることで、
利用者さまやご家族、周囲の方々が
安心して暮らせるようになることが目標です。

障がいがあってもなくても、地域で暮らすという
当たり前のことが当たり前にできるように、
貢献していきたいと思っています。

ありがとうございました。

住み慣れた“地域”で居場所を選択できることは
利用者の方、そのご家族の方にとっても
拠り所になることですね。
経験のある専門職の方が地域参画していくことによって、
より安定した地域社会の実現にも繋がると考えます。

• 

• 

•